1998年11月29日
先週、ビザを手にいれるために、バングラディシュ大使館とインド大使館を尋ねた。どこの国もそうであるが、大使館とは結構謎の場所だと思う。敷地だけはメチャメチャ広いのに、実際何をやる所なのかよく分からない。ビザの発給業務もあるが、ブータンを始めとする南アジア7ヶ国では、SAARC協定という貿易協定が結ばれていて、ビザ無しでこの7ヶ国間を自由に行き来することができるために、ビザの発給は、私のようなそれ以外の少数の国の人に対してだけなのである。
ブータンにある外国の大使館は、このバングラディシュとインドのみである。日本は、ここに大使館どころか領事館もない。まあ日本人が50人もいないので、そんなに必要とならないのだろう。協力隊派遣国は世界に約60ヶ国あるのだが、その中で日本大使館や領事館がない国はたった3ヶ国という珍しさなのだ。
まず、バングラディシュ大使館の敷地に足を踏み入れた。敷地の真ん中にあった建物をてっきりオフィッスだと思い、言ってみると「ここは、住居だ。オフィッスは上だ」と、オフィッスの建物まで案内してくれた。まあ、大使館のオフィッスといっても、一軒家と全然変わらない。
中に入ってみると、大使館のベンガル人スタッフ3人が、寒そうに電気ストーブにあたってどうみてもヒマそうにしていた。「ビザと取りに来た」というと、早速一等書記官の部屋に連れてってくれた。一等書記官の彼は、何と日本語で迎えてくれ、お茶までサービスしてくれた。とっても親日家らしく、日本にも2年間住んだ経験があるそうで、ビザを申し込むだけのつもりが、30分も長話をしてしまうことになってしまった。結局、後日食事の約束をして、大使館を後にした。
インド大使館は、バングラ大使館よりずっと立派だった。しっかりと受付けの人もいて「さすが、インドの影響力はすごい。」と感じさせてくれた。ここには、ビザ発給担当の部屋があって、そこへ案内された。
担当のインド人は、最初とても愛想が悪かったが、いろいろと話していると、彼もまた日本に興味を持っている一人であった。私がブータン電話局で働いていることを話すと、「日本がブータン提供した、電話網にとても興味がある。今度私の家に来て教えてくれないか?」と、ここでもお茶をサービスされてしまった。
ブータンは大国インドのそばに位置していて、物はほとんどインド製を使っている国なのだが、その大国に対して断然勝っているのが、昨年完成した日本の援助によるデジタル電話網なのである。インドは、いまだに品質の悪い自国製のアナログ網であり、昨年までのブータンのように裸線の所もあるらしく、話中の雑音がすごいのが現状である。
私は、その申し出に快くOKし、12月末に彼の家に行くことを約束し、インド大使館を後にした。部屋をでる前に彼のアシスタントに「ジャケットをタイのバンコクで買ってきてくれないか?」と初対面の私に対して頼んできたが、これは丁重にお断りした。
今回、初めて他国の大使館を訪問してみて、大使館もそれぞれいろんな所があるんだなと思うと同時に、南アジアにおける日本の存在感も少しだけ感じることができた。