山国ブータン王国−74(偽スノーマントレッキング-2)

1998年10月14日

(壮大な景色)

●第3日目 平成10年9月11日 タンブー(4000m)〜ヤクサ(3500m)

 明るくなった5時30分ころ目が覚めた。とっても寒い。外に出てみると、昨日降っていた雨がうそのように、雲が1つも無くなっている。「これは、天気がいいぞ!」と7時に山から太陽が出てくると、氷点下の気温が一気に上昇していった。

 また、この朝視界が抜群で、山や谷の壮大な眺めが見れた。さすが山国ブータンである。「来て良かった!」とこのトレッキングで最初に感じた瞬間であった。

 昨日は長い登りで疲れきっていたが、今日は天気、体調ともに最高である。あれだけ疲れ果てていたのに、今朝は足の張りや疲れもない。昨日の夜は寒くて最悪だったのに、えらいちがいだ。

 10時に出発、約1時間でタフン峠(4500m)にたどりついた。かなりの高度だが頭は全く痛くない。どうやら2400mのティンプーで一応高度順応しているらしく、4000mを超えてもぜんぜん平気だった。残りは下りだけだったので、一気に下っていき13時30分にはテントサイトに到着してしまった。

 この時間、ちょうど日差しが強く暖かかったので、早速お風呂セットを用意して川へ行き、素っ裸になって全身を洗った。水は冷たかったが、誰もいない山奥での水浴びは開放感があってとても気持ちが良かった。また、川からあがって30分で雨が降ってきて寒くなったので、いいタイミングで入ったなぁと喜んでしまった。

 突然、夕方になって激しい頭痛がおこった。高度的には、昨日より下りているので、高度障害はありえないしいったい何だろうと思った。特に夕食の時が最悪で、ひどい頭痛と吐き気に苦しんだ。夕食後、暖かくしてシェラフにくるまって寝てしまった。

 幸い、21時半ころ目が覚めるともう頭痛は治まっていた。原因は、どうやら昼に素っ裸で水浴びをして、体を急に冷やしたからだと推測できる。一時は、このスノーマントレックを3日で断念かと考えただけに一安心した。

 体調の管理は、これからも自分でしっかりやっていかなければならない。

●第4日目 平成10年9月12日 ヤクサ(3500m)〜ジャゴタン(4040m)

 夜中、雨が降ったりやんだりしていたので、今日は雨かと思ったが、今日も朝から快晴だった。雨で冷えこんだせいか、テントについた雨粒が完璧に凍っていた。テントサイトが谷だったので、なかなか太陽が登らずやっと山から日が顔をだしたのが7時50分、それまでとても寒かった。

 出発は8時50分、今日は最初の3時間標高5000mのパンテン峠までひたすら登り続けた。本当に苦しかった。というのは、馬と一緒に登り続けたため、ろくな休憩をとらなかったからである。なぜかというと、馬を休憩さすには、馬に積んである荷物を外してやらなければならないため、これが結構手間で、馬使いとしては1日の内、昼飯の時しか止まりたくないからである。

 昼飯は、峠を下りた湖のほとりでとった。15時20分にテントサイト(ジョモラリーベースキャンプ)に到着した。この場所は、ジョモラリー山(7314m)の麓にあり良い場所なのだが、この日は雲がかかっていてそのきれいな山を見ることができなかった。また、地形的に交通の要所だったらしく、昔の城跡があったり、歴史を感じさせる場所であった。

●第5日目 平成10年9月13日 ジャゴタン(4040m)〜リンシ(3915m)

 5時30分に目が覚めて外に出てみると、とても感動的な光景を見ることができた。辺りはまだ暗いのに、なんとジョモラリー山だけが白く光っている。

ジョモラリー山は万年雪の山で、遠くからの光に対して見事に反射していた。

もちろんとても寒かったが、ここが幻想の世界のようでとても感動した。


写真:ジョモラリー山

 8時50分に出発して11時15分にニェリ峠(4680m)に着いた。これは、そんなに大した峠じゃなかったのだが、だんだん体にガタがきているようで、登り始めてすぐ疲れ始め、道中は本当に疲れていた。ニェリ峠では、馬が我々に追いつくまでの待ち時間を利用して、近くの山頂(4800m)に登った。

 ジョモラリー山などの山頂は、もう昼近くだったこともあり、雲がかかっていて見えなかったのだが、360度の雄大な視界が楽しめる山頂は、なかなか気持のいいもんだと感じた。

 その後、ひたすら下って、14時10分テントサイトのリンシに到着した。ここリンシは、スノーマントレッキングの4分の1地点である。このテントサイトもジチュダケ山(6794m)とツレムカン山の2つの美しい雪山を見ることができる、とてもいい場所だった。


写真:リンシのテントサイト
 



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