1998年10月14日
(序盤)
いよいよ、今まで思い続けていた、私にとっては伝説の「スノーマントレッキング」へ行こうとしている。しかし、出発の5日前に歩いていてグキッと捻挫してしまった左足首が、まだ少し痛い。これが、ちょっと不安の種だが、無事24日後の10月2日にまたティンプーに戻ってこれたらなぁと祈っている。
●第1日目 平成10年9月9日 ドゥゲルゾン(2500m)〜サハパン(2800m)
待ちに待ったスノーマントレッキングの日がついにやってきた。今年のブータンの雨季(6月〜8月)は、かなり雨の量が多かったのだが、つい2日前からとてもいい天気になっていた。どうやら雨季が私の出発に合わせてちょうど明けてくれたようだ。
写真:ドゥケルゾン
この日も、とても天気が良かった。朝7時にティンプーを車で出発、トレッキングスタート地点のパロ・ドゥゲルゾンに10時30分に着き11時からトレッキングが始まった。私に付き添ったのは、ガイド1人、コック1人、馬使い1人と馬が6頭である。今回のトレッキングは、この4人と6頭で24日後のゴール地点「ニカチュ」を目指していく。
今日は、川沿いに歩いていくだけの平坦なコース。日差しは強かったが川からの風がとっても気持ち良かった。キャンプサイトには14時30分に到着したが、実際に歩いたのは2時間半くらいで標高差も300mほどのとても楽な初日であった。
●第2日目 平成10年9月10日 サハパン(2800m)〜タンブー(4000m)
6時30分起床、空は快晴で今日も暑くなりそうだ。8時30分出発、10時20分に軍事エリアを通過するため、チェックポストを通った。このチェクポストが持っていたチェックリストに、しっかり私たちのパーティーが載っていたのには感動した。
このコースは、ただの山道を通るだけなのに、事前に通行許可が必要で、さらに現地でそのチェックをやっていることに驚いた。「そんな重要な地域には見えんけどなぁ」と思いながらチェックを受けた。
手続きはガイドがやったが、最後に「ところで旅行客はどこにいるんだ」と目の前に私がいるにもかかわらず、尋ねられてしまった。どうやら、チェックマンは私のこともブータン人ガイドだと勘違いしたらしい。
この軍事エリアは「アーミーキャンプ」と呼ばれブータン軍の人達が暮らす小さな集落であった。車が入ってこれない場所であるにもかかわらず、雑貨屋があり、病院があり、まるで1つの町のようになっていた。
本来は、ここからも川沿いに進んでいく筈であったが、この夏の大雨で橋が2つ流されてしまったらしく、迂回ルートを行くことになった。この迂回ルートというのは山超えで、これが予想以上に長く、メン峠(4200m)に着いたのは16時50分だった。そして、4000mのテントサイトに着いた時は、もう17時20分になっていた。
また、この日は峠に登っていく途中から、天気が怪しくなり、気温が急激に下がり、大雨となってしまった。夕方になっても雨は降り続き、夜はテントの中でシェラフにくるまって凍えていた。やっぱり、トレッキングは楽じゃないなと最初に感じた時であった。