1998年9月6日
ブータン人の愛用するものの1つに「ドマ」という木の実の1種がある。
ドマは、本来白っぽい木の実なのであるが、これを葉でくるんで口に含み、ガムのようにかんでいると、赤いつばがどんどんできていく。そして、ブータン人の口の中は、唇も含めて真っ赤に染まっていく。
この真っ赤になった口のまま、微笑みかけられるとメチャメチャ気持ち悪い。「なんだこのおやじ(おばさん)!」といった、気味の悪さは1年経った今もまだ慣れることができない。
ブータンの道路では、あちこちにこのドマを吐き捨てた赤いしみがに残っている。また、歩いているブータン人を抜かそうとする時、いきなりドマを吐き捨ててくることもあるので、注意をしなければならない。
このドマは、木の実に白い調味料をつけて葉にくるむだけなので、誰にでも作ることができる。そして、道ばたのおばあさんや子供たち、さらにどこの店にでも売っていて、値段も5個で6円程度と安いので、誰にでも簡単に手に入れることができる。毎日、職場まで歩いている途中、必ず「ドマドマ」と、売り手に声をかけられる。
若い世代はそれほどでもないが、中年から高年にかけての年齢層のブータン人は、みんなこのドマを1日中愛用していて、まるでドマ無しでは生きていけないように見える。特に、冬の寒い時にドマをやると、体がポカポカしてきて暖かくなるようだ。
しかし、最近は新聞にも、ドマが健康の維持(内臓)にあまり良くないので、ほどほどにしましょう、という記事を見ることも多々ある。ドマの匂いもまた独特なものがあって、他人のドマの匂いが嫌いな人も多い。特に同じ車の中でドマをやられるとたまらない。。。
私も、1、2回ドマを試したことがあるが、それはとてもマズかった。「なんでこんなものがおいしいんだ?」というほどマズかった。まあ、これから何回も口にすればおいしくなってくるかもしれないが、これ以上やろうとは思わない。こんなドマも、ブータン独特の文化の1つでブータンらしさを感じさせるものである。