1998年1月27日
一 般 状 況
(A)任国事情
a)自分の生活環境
今私は、2つの時間帯で生活している。
1つは、平日にプロジェクトの電話線路工事でパロの新電話局で線路チーム一緒に寝泊まりしている時間帯と、週末にティンプーの自宅に戻って1人で過ごす時間帯である。
平日に過ごすパロでは、プライベートは全くない。すべてブータン人スタッフと一緒の行動をしている。朝は、だいたい7時に起きる。起きてしばらくすると、誰かのお経が聞こえてくる。毎朝の習慣らしい。そして、洗面をするために外へでると、まず最初にパロ空港の滑走路が目に飛び込んでくる。フライトのある日は、格納庫から飛行機がゆっくりでてくる。フライトスケジュールがあるはずなのだが、滑走路上空の視界や気温、飛行機自身の調子などで動きだす時間はぜんぜんちがう。適当なもんだ。
水道はもちろん外しかない。12月、1月は、寒い朝であると水が凍ってでない。山と空の境からやっと太陽が顔を出すのが、だいたい7時40分すぎであり、水がとけて出てくるのが8時過ぎである。そこでやっと洗面してコンタクトレンズを入れることができる。
朝食は、10月11月は7時30分ごろだったが、最近は8時を過ぎるようになった。ご飯とエゼという辛い野菜をすりつぶしたものと、スジャという油っこいお茶の3点セットが毎日変わらない朝食のメニューである。現地の人は、朝食が終わると5分ですぐに仕事になり現場にでようとする。朝食後に歯をみがく私は、いつも急いで歯みがきすることになる。もちろん自分の食べた食器も洗わなければいけない。
8時30分ごろ料理係兼見張り役を1人電話局(宿舎)に残して、12万km走行しているランドクルーザーか18万km走行しているオンボロキャンターで現場へ向かう。これも寒い朝であるとエンジンがかからないため、暖かくなるまで仕事が遅れる。ランドクルーザーには、前に3人、後ろに4人から5人、さらに荷台にも数人乗り込みいつも詰め込み状態である。最初はためらいもあったが、最近は完全に慣れた。
昼は12時30分から1時になると、仕事を一時中断して電話局に戻ってくる。料理係が昼食を用意して待っている。昼食はカレーが多い。このカレーは結構いけておいしい。暖かくなった昼に外で食べる食事はなかなかおいしい。しかし風が強い日は、中で食べている。食後、食器を洗ってすぐに現場へ出発、この間20分〜30分。
夕方は、だいたい5時30分に電話局に戻ってくる。太陽が山に隠れてしまうのが4時ごろなので、その後の1時間半は急激に冷え込み始める。5時30分を過ぎると暗くなってくるので、作業はこのあたりが限界である。普通のオフィッスは冬時間で終了時間が1時間早くなり4時には仕事が終了しているのであるが、私はまだその恩恵にあずかったことがない。この恩恵にあずかれるのは、たぶん来年の冬になるだろう。
電話局に戻ると、まず手を石鹸で念入りに洗う。そして、料理係が紅茶のようなものを用意しているので、それを飲んで一服し、マーケットへ買い出しに行く。マーケットと言っても大きな店ではなく、ブータンならではの商店街である。そこで10個入りで70円のパンと210円のブラックマウンテンウイスキー1ボトルと60円のペプシーを2本買う。
マーケットから帰ってきて、作業服からジャージに着替え、みんなでパンを食べる。ここの夕食は9時30分ごろととても遅いため、毎日6時ごろパンを食べている。そして7時くらいから、みんなでブラックマウンテンのペプシー割りを飲みはじめる。酒を飲んで話題になりやすいのは、やっぱり女性関連の話題である。このへんは、日本と変わらないなと思う。
そして、トランプ大会やパララというサイコロゲームなどが始まる。トランプでは、ページ1や7並べなどをしている。結構イカサマがすごく、私も負けじとイカサマで応戦している。みんな酒が入っていてテンションが高くなっているので、結構盛り上がっておもしろい。
やっと9時30分になって、夕食になる。パンを食べて酔っ払った後に食べるので、あまり入らない。そして、食べた食器を外で洗うが、この時が一番寒い。洗い終ったらすぐにシェラフにくるまって寝てしまう。寒いのでシェラフは3個重ねて寝ている。というのも11月頃は冷えで夜中に腹痛になることが多かったため、シェラフを1個追加して重ねるようにした。
パロ出張生活での1日は、ざっとこんなものであった。大きな病気や事故もなく健康でいられたのが何よりであった。当初は、何か盗まれるのも仕方ないかと思ったが、結局この4ヶ月で何も無くならなかったのは、やはり一緒に住み、たった1人の外国人の私を大切にしてくれたブータン人メンバーのおかげだと思っている。彼らにはとても感謝している。
一方、週末に過ごすティンプーでは、1週間ぶりに体を洗い、洗濯をして、身をきれいにするとともに、パロでは全く持つことのできない自分の時間を過ごしている。Eメールをうったたり、本を読んだり、買い物をしたりなど、パロ出張の疲れを癒すことができるこの時間もまた、私にとってとても重要な時間となっている。
以 上