1997年12月7日
最近朝起きて、洗面しようとして外の水道に行くと水が出ない。よく蛇口を見ると、凍っているではないか!やっと水がでるのは暖かくなる8時30分ころである。よく眠れた夜だったらがまんできるが、夜中に寒かったり喉が痛かったりして、あまり眠れなくて機嫌の悪いときは、本当に頭にくる。
宿舎から現場に行くときには、15万キロくらい走行しているボロボロのトラックを使っている。このトラックがとても恐ろしい。最初、出張にきたばかりの時は、自分だけでもシートベルトを締めようと思っていたら、何とこの国のほとんどの車にはシートベルトがついていない。いつのまにか外されている。
さらにこのトラック、クラッチがつながりにくいしウインカーも壊れている。サイドミラーやバックミラーも無い。だから、バックするときに見えない左後部をぶつけたり、他車との接触もしょっちゅうである。このへんはまだいいにしても、一番恐ろしいのが、ブレーキがほとんど効かない状態であることだ。1、2回試しに運転してみたが、本当にブレーキレバーが「かすかす」状態でなかなか止まってくれない。
毎日このトラックで、崖をくり抜いてできた、くねくねと曲がったカーブミラーも無い道を現場まで走っていく。またこの道がとても細く、普通車同士がかろうじてすれちがえるような道なので、一歩間違えれば崖下へ転落するような感じで恐い。
まあ、こんな道でも運転手がゆっくりと走ってくれればちょっとは安心できるのだが、ブータン人運転手は見事に飛ばしてくれる。「ねえ、たった4、5kmだからゆっくり走ろうよ」と私はいつも思うのだが、そんなことしてくれない。最近、それがなぜだか分かってきた。それは、完全にインド映画の影響だ。インド映画の中にある、衝突しそうで寸前で回避して楽しむシーンをきっと真似しているのだ。(おい、映画の真似をするんじゃなーい!)
私は、いつもこのトラックの助手席に乗せられている。(一番危ない場所やんか!)見通しの悪いカーブを曲がる時は「どうか、対向車がいませんように!」とお祈りしながら、衝突してもこらえらるように前のダッシュボードに足をかける準備をしている。特に運転手の調子の良いときや逆に機嫌の悪い時は、めちゃくちゃ運転するので非常に恐ろしい。
途上国ブータンでの私の交通安全対策は、ずばり「今日も事故がありませんように」というお祈りだけである。