山国ブータン王国−35(小旅行)

1997年11月23日

 1997年11月21日(金)は、ブッタの記念日という意味の祝日であったため、23日(日)まで3連休であった。これを利用して、あと2週間で2年間の任期を終えて帰国する先輩隊員と私の2人で、中央ブータンのコブジカという場所へ、2泊3日で鶴を見に出かけた。ブータンでの生活は、もう5ヶ月になるが、泊りでの旅行はこれが初めてである。

 1997年11月21日朝に、チャーターしたハイヤーでティンプーを出発した。この日とても天気と視界が良く、コブジカへ向かう途中のドチュラ峠からは、ヒマラヤ山脈を見ることが出来た。「あーあれが7200mの山か。」と、初めて見る7000mを超える山々を見て、その偉大さに感動した。普段この峠からヒマラヤ山脈は、めったに見ることができないらしく、2年間近くブータンに住んでいる先輩隊員でさえも「初めて見えた」と言っていた。私は、ちょっとラッキーだった。「この2年の間に、あの山に登ってみたいな。」とも思ったが、それにはいくつも命が必要になるだろう。

 やめておこう。

 コブジカまでの道のりは、ティンプーから約150km。日本式で考えれば、高速道路を2時間も走れば十分たどり着ける距離であるのだが、ここはブータンである。道は、すべてがくねくねと曲がった山道であり、トンネルというものは1つもない。根気よく、山の形に合わせてくねくねと進んでいくのがここの道路なのだ。たかが150kmでも、結局6時間もかかってしまったので(信号や渋滞なんて無いのに)乗っているだけでもかなり疲れた。

 コブジカという場所は、標高約3100mにある谷で、ブータンではめずらしい視界の開けた湿原となっている。冬季になると、普段チベットに住んでいる鶴が、南下してきてこで冬を越している。ざっとみて200羽ほどの鶴を見ることが出来た。


写真:コブジカ湿原

 泊ったのは、ゲストハウスという建物で、薄暗い部屋にボロいベッドが置いてあるだけの所であった。しかし、ベッドがあるというだけで私は感動した。てっきり出張生活のように、板の上にシェラフだけで寝るものだと思っていたので、私にとってうれしい誤算であった。

 また、ここには「石風呂」と言って、焼石でお湯を温める方式のお風呂があった。まだブータンに来てから5、6回ほどしかお風呂に入っていなかったこともあって、このお風呂はなかなか気持ちよかった。お風呂はほったて小屋の中にあり、お湯がぬるい時は係が外から、焼石をすべり台のようなもので、小屋のお湯の中へ落としてくれる。落とした時の「ジュー」という熱そうな音が、気持ちまでも温かくさせてくれた。

 宿泊料は2泊4食風呂付で、1250Nu(約4500円)日頃の生活で100Nu(360円)にこだわっている私にとって、この出費は以外と効いた。

 コブジカ旅行は、パロの出張疲れを少しでも癒すことのできたよい旅であった。



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