1997年10月14日
第1号(3ヶ月目)隊員報告書 平成9年10月14提出
ブータン王国派遣H9年1次隊 職種:電話線路(9年7月/9年9月分)
配属先・住所 Division of Telecommunications, Thimphu
, Bhutan
業 務 内 容
(A)配属先
a)配属機関名: ブータン通信省 ( Ministry
of Communications )
電話局 ( Division
of Telecommunications )
ティンプー電話局本部( Telephone
Exchange , Thimphu )
電話線路工事部 ( Out
Side Plant )
b)配属先の組織と規模
ここには、電話線路部門の他に総務・トレーニング部門、修理部門、無線通信部門、交換部門、衛星通信部門、通信電力部門、オペレーター部門、料金部門などがある。ティンプー電話局で働く職員は、オペレーター・ヘルパーもあわせて全部で約200人程である。
私の所属する電話線路部門は、ラインスタッフ(正局員)が18人、ラインヘルパー(パートタイマー)が12人、その他3人の合計33人で構成されている。
ティンプー電話局の局長(トップ)は、ダイレクター(Director)と呼んでいる。
c)日本人を含めた外国人スタッフの有無及び役割
現在協力隊員は、私の他にもう1名(7年度2次隊)が通信電力で、同じ建物内で活動している。
また、国内通信網デジタル化プロジェクトに伴う、マイクロ無線機・中継所・反射版の拡充工事のために、メーカー(NEC)が5名、国内通信網プロジェクト運営・管理で日本情報通信コンサルタント(株)(NTC)が2名の計7人が、同じティンプー電話局本部で働いている。
日本人以外の外国人スタッフは、設備が交換機、無線機、電話ケーブルすべて日本製を採用しているため、誰もいない。
(B)協力活動
a)今後2年間の決意と心構え
電話局に配属して1ヶ月で、通信網整備プロジェクトの工事が始まり、ここまで約1ヶ月間ティンプーから約60km離れたパロで、地方ネットワーク拡充工事に一緒に携わっている。私の活動期間2年間のほとんどが、地方出張での活動となりそうである。パロでの滞在は、ホテルではなく、建築中の新電話局舎の1室で電話線路工事チームの10人で寝ている。当然ながら、出張生活はみんなで一緒に過ごすので、平日は仕事時間だけでなく24時間プライベート時間がなく、息をつくヒマがかなり限定されてしまう。しかし、この状況が不満ではなく、むしろこの協力隊活動でしかすることのできない経験であり、日本にいる時に要請調査表で承知・覚悟の上である。
私の職種である電話線路工事という仕事は、他の協力隊員の仕事よりも、特に健康と体力が重要であると思っている。それは、この仕事がデスクワークではなく、毎日1日中野山を歩き回って、資材を運び、通信柱を建てるなど、力仕事が主であるからだ。したがって、まず自分自身の体調が良くないと、ほどんど道の無い山や農地を一直線に縦断していくルートへ行くことさえもできなくなる。出張先のため、何かがあるとチームのみんなにも、迷惑をかけてしまう。よって、出張中においては、まず自分自身の健康・安全管理を第一におきたい。
健康面においては、自分の手と自分の食べる食器類を、よく洗うようにしている。出される食べ物は、すべてブータン料理で朝の野菜を除いては全部火を通してある。アラ、エマなど毎日ブータン独特の辛い食べ物のオンパレードだが、幸いこの1ヶ月特にひどく当たることもなく、最近はだんだん慣れてきた。食べないと日中動けないので、毎食しっかりと食べるように心掛けている。朝・昼は、お茶がわりに冷水が出てくるが、これはさすがに飲んでいない。さらに単純なことだが、うがいを朝・昼・夕としている。さらに、それぞれの最後にミネラルウォーターで1回うがいをしている。また、行動しやすいことから毎日コンタクトレンズを使っているが、これも目に入れる直前はミネラルウォーターでよく洗うようにしている。
安全面も重要で、危険な要素はたくさんある。地中掘削工事における一般車両の注意、岩道・崖道歩行での滑落の危険、建柱・装柱作業での落下物の危険、重量物(鋼管柱・ドラム)の人力による運搬など、考えればきりがない。重量物を地面に落とす時の掛け声・タイミングはやはり最初ちょっと手間取った。1回タイミングを誤り、腰をうった。現地の作業員は、草履や裸足で作業する者もいる。信じられない事だが、これでほとんど怪我をしない。怪我をしたのは、裸足で地面のガラスを踏み足の裏を切った1人だけで、これが彼らが小さい頃からの普通のスタイルであり、一番怪我する危険が高いのは彼らよりも、何より自分だということを、頭にしっかりと入れておこうと思う。
工事に関しては、まだ掘削、建柱、装柱の段階で、ケーブル工事はまだ行っていないが、ここまでの施工に関しては、彼らにかなりの工事経験を感じている。私なしでも、良い設備が出来るのであれば、それはそれでいいと思っている。私は材料管理、記録などの裏方でよく、別に目立って活躍する必要はないと思っている。
現場でルート選定においても、私のいいなりではなく、かといって彼らの独断ではなく、お互い自分の意見を言って議論し、彼らがそう考えた根拠を聞いて、お互い納得し決定している。これは、彼らが私を尊重してくれ、私も彼らを尊重していることにより、今のところうまく成り立っている。
だた、彼らはメモをとる習慣がなく、その場で考えて施工していく。当然、完成しても何も図面類が残るはずがない。この2年間で私は、施工時のアドバイスと同時に、この完成図面の必要性・重要性を伝えていきたいと思っている。まず、この「パロ」と次の「ハ」の完成図面を私が作成し、その図面をもって説明して分かってもらい、その次の「プナカ」「ウォンディ」の完成図面から、彼らで作ってもらうように計画している。とりあえず、パロで作る私の完成図面を見て彼らに気に入ってもらうことが、その後工事するの町々の図面作成をスムーズに行っていくためのポイントだと思っている。
また、この先の工事においても「ミスの無い確実な施工」「よりメンテナンスしやすい設備作り」を考えながら一緒に工事していくつもりである。
日常生活においては「英語の習得」に一番重点を置いている。今の段階では「君の英語は、ちょっと怪しい」とみんなから言われているが、そんなことは全く気にせずにとにかくしゃべっている。日常生活を不自由なく過ごせるだけでは、不満足である。
英文を読む力、話す力、聞く力、作る力を、せっかく現職参加で海外にいられるこの機会に、少しでも上達させていきたい。この英語力アップは、帰国後の生活においてもかなり役にたっていくと思っている。