1997年10月12日
私は、すでに酔っ払って寝ていた。
1997年10月9日(木)夜、いつもの様にブータン人とブラックマウンテンのペプシー割りを飲み、それからシェラフにくるまって本を読んでいるといつのまにか寝ている。
私の隣の寝床で、毎晩盛り上がっている賭けカードゲーム(トランプ)が、今夜はやけに長く盛り上がっている。いつも夜10時を過ぎると電気を消して寝るはずなのに。。。「おい、今夜は長いぞ。」と、時々目が覚めては日本語で独り言をいっている。
しばらくして、また目が覚めると、私と熟睡している2人を除いて部屋には誰もいない。どうやらみんなでどこか町にでも出たようだ。時計を見ると日付が変わり0時30分を差していた。「あぁ、日本は体育の日で休みだ。ここはそんなわけないか。。。」とぶつぶつ言いながら、枕にしている英和辞典に頭を置き直し、また目を閉じた。
外で妙な音がする。(サクッ、カーン、ザクッ・・・)「ん、どうやらみんな近くにいるようだぞ。ブータンの秘宝でも探してるのかな?」と思い、ムクッと起き上がり、懐中電灯を持って真っ暗で寒い外に出てみると、何とみんな道路の掘削をしている。「そいえば、今日はここを掘っていたんだ。でも昼間はトラックが通るから、結局全部出来なかったんだ。」昼間私は、別の場所へ架空線の装柱に行っていて見てなかったので分からなかったが、この道は幹線道路であるが、道幅が5mでうちアスファスト部分がたった4mしかないので、片側づつも掘ることができなかったようだ。田舎町といえども、20分に1台くらい大型トラックが通る。
「こ、こんな時間に、しっ、仕事している!」私はびっくりした。どうやら、熟睡していた私には気を使ってくれて起こさなかったようだ。みんなは、私を見るとすぐに「ライトをここに照らしてくれ。」と言い、私は照明係となった。
真っ暗闇の中で、鉄棒で石(岩)を砕くと、火花が散るのがきれいに見える。聞こえる音は「カーン」という掘削の音と、野良犬の鳴き声しか聞こえない。雨季が明けたため、澄んだ空には天の川をはじめ星がとてもきれいに見える。東の空には、オリオン座があった。「あぁ、もう冬の始まりなんだ」と、だんだん冷えてくる体と星空を見ながら、冬が近いことを感じた。
作業は、道を横にまっすぐ横断するように掘り、そこにパイプ(材料が無いので、鋼管柱の一番先の細い所2.5mを管路がわりにしている)を置き、埋め戻した。
終了時間は午前1時30分で作業時間は1時間ほどで終わった。この夜の彼らの行動には、本当に感心した。部屋に戻ってシェラフにくるまっても、体の冷えは朝まで収まらず寒かったが、気持ちは何だかいいものを見たようですっきりした夜だった。
写真:昼間の作業風景