山国ブータン王国−26(タクサン登山)

1997年10月1日

 1997年9月28日(日)パロの山奥にあるお寺(Taktshang、タクサン:虎の住家の意味。)へ、私と同じ工事チームのブータン人4人の合計5人で挑戦した。1900年前の昔に、ここに虎が住んでいたという伝説があることからこの名前がつけられたのだそうだ。

 ここは、山頂付近の崖に建てられたお寺であり、観光客の元気なグループの人気スポットである。また、ブータンの絵葉書の代表の1つといえる名所である。お寺の標高は、約3000mで登りはじめからの標高差は約600mである。

 朝7時に、ユニック車で出発し、7時50分から登山開始した。この日私は晴天であることを期待したが、残念ながらどんよりした曇空で途中雨も降った。登山道はとてもメジャーなルートだけあって、しっかりとしていて思ったよりも登りやすかった。

 約2時間30分でタクサンに到着した。


写真:タクサン僧院

 「よくこんな場所に建てたもんだ」と思うほど、ここは山頂付近の急峻な崖の途中にあり、仏教徒が山に入って修行するとはこんな場所でやるんだな、と感じた。もしも、今日旅行ツアーや日本人だけで登っていたら、建物を見ただけで引き返していただろうが、今回私以外はみんなブータン人だったので参拝の意味もあってこの建物の中に入ることができた。

 ブータン人には、「ブータン人は生まれたときから仏教徒である」という考え方があり、ここではかなり熱心にお祈りをしていた。この建物の中には約30人の赤い衣装を着た僧達が修行の最中であった。やっぱりこんな場所にも人が住んでる。

 お祈りの方法は、以前日本のテレビで見たどこかの宗教団体の祈り方に似ていると感じた。まず立ったままで手を合わせて祈り、その後ひざまずいて頭を床につけるまで頭を下げてお祈りをする動作を何回も繰り返していた。私も彼らの真似をして同じことをした。それからお賽銭を仏壇の前に置くと、僧が神水と黒い粒の食べ物をくれ、その場ですぐ口にした。

 神水は酒ではなく雨水のようだ。黒い粒の食べ物は薬(セイロガン)の味がしたが、一体これが何なのかは分からない。結局、参拝する部屋は10部屋もあり、後半は私の財布に細かいお賽銭が無くなり、お祈りだけした。でかいお札をお賽銭として出す勇気は私に無かった。ここで他のブータン人が、僧にその場で両替をしてもらっていたのには驚いたが、こちらでは普通らしい。

 今日は、ブータン人と一緒に行ったことによって、お寺の中に入れ、なかなか経験できない珍しい体験をすることができた。登山のほうも、標高差600mで登りの後半は急な道であったが、思ったよりもそんなに疲れなかった。自分の体力が徐々に戻りつつあることを確認できた登山であった。



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