山国ブータン王国−24(野宿生活)

1997年9月21日

 ここパロの出張生活、出張といってもホテルに泊まる訳でなく、建築中の電話局で雨つゆをしのぐ、いわゆる野宿状態の生活である。宿泊環境は決してよくない。食事は、薪で火を炊いて作る。夜は、板の上にシェラフで寝る。もちろん個人の部屋なんて無いので、どかたチーム10人で「ざこ寝状態」である。


写真:出張の夜

 食べ物はブータン人が作るブータン料理を一緒に食べる。確か、訓練所で聞いた「現地の人々と同じものを食べ一緒に生活しながら活動する事こそ協力隊の基本」という言葉を思い出した。

 ブータン料理の基本は、日本と同じようにライスで、その上にブータン版カレーなどの「おかず」をかけて食べる。ティンプーのレストランでは見かけなかったが、ブータン人は、家でご飯を食べる時は「手」で食べる。箸は勿論スプーン、フォークでさえも使っていない。ちょっとこれは真似できなかった。

 ここで作る料理は、衛生的にちょっと不安である。この料理の中には、怪しい肉や野菜が入っている。「赤痢になった時はその時だ!」と思ってパクパク食べているが、幸いまだ1度も当たっていない。反対にたくさん食べた方が、調子がいい。毎日1日中歩き回っているので当然といえば当然か。私は、日中はできるだけ作業を手伝いながら動くようにして、赴任2ヶ月でひょろひょろになりきったこの体に体力と筋肉を取り戻そうと心がけている。その方がお腹もすき食欲もわき、いいと思っている。 

 ただ問題は、シャワーが無いことである。この1週間1度もシャワーをあびず、1度も着替えず同じ服で過ごした。昼間汗をかき、にわか雨に濡れ、どろどろになったそのままの格好で寝る生活である。かなり汚い。3日すぎるとかなり臭ってくる。だんだんかゆくなってくる。1週間もシャワーを浴びなかったのは、さすがに初体験であった。来週からは2週間(10月4日まで)に挑戦である。さあ、どこまで耐えられるか? 

 もう1つトイレの話。トイレの中は天井から水が降ってくる。1度使ったら頭からベトベトになってしまった。これは使えたもんじゃない。ここでは、外に出て溝に「野ぐそ」が基本か。

 はたして、この約3ヶ月の「野ぐそ生活」いつまでもつだろうか? とりあえず1週間はもったがこの間かなりまいった時もあった。体調を崩していたらもたなかっただろう。今はまだ体の調子がいい。ここでも、何をおいても健康が一番だというのをしみじみ感じている。このまま3ヶ月間もつかどうかは、分からない。

 しかし、同じ人間であるチームメイト達も、同じどころか日中は私以上の過酷な労働条件の中でも全く文句も言わず毎日作業している。また、たった1人の日本人である私にいろいろと気を使ってくれ、私はとても彼らに感謝している。ただ彼らは、私と話す以外は普段英語を話さずにシャショップ語やゾンカ語で話しているので、言葉の壁も感じている。

 9月22日は、雨季の終りという意味のブータンの祝日であり、みんな家族と過ごすために一時ティンプーに戻った。ティンプーに着いたのは、夜19時30分であったが、この田舎町ティンプーがとても都会に感じたのは印象的であった。そして、すぐにあびた寒い夜の「冷水シャワー」で1週間ぶりに体を洗ったのと同時に、体の芯から冷えきった。私のアパートはいまだに、温水シャワーの機能が完成してない。冬が本当に心配になってきた。



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