山国ブータン王国−17(観察の日々)

1997年8月26日

 電話局に配属になってから約2週間が経った。しかし、何かよく分からん日々を過ごしている。これをやってくれ、あれをやってくれと言われる訳でもなく、「ケーブル工事は、まだケーブルが日本から届かないので工事できない。たぶん10月くらいからになりそうだ。」などと現地局員と雑談したり、前隊員が残した資料に目を通したりと、はっきりいって何もしていない日々である。まあ、言い方を変えると「観察の日々」といったところか。要請内容がしっかりあって来たはずなのに、ここに来て要請内容というのがかなり抽象的なものだと感じた。

 そういえば、訓練所の講義で講師が「協力隊活動の2年間のうち最初の3ヶ月から6ヶ月は仕込の期間です。何もしないでじっくりと観察し、そして自分が何をするべきのかを考えなさい。」と話していたのを思い出した。そのとき私は、「そんなに長い期間も何もしない事が必要なのか」と感じていたが、今はまだ2週間たらず。はたして1ヶ月後どのように考えが変わるだろうか。

 私の職場は朝9時に始まり、1時〜2時の休憩をはさんで夕方5時までが就業時間である。この国は、日本と違い昼の休憩が1時間遅い。この時間差にまだ私は慣れてなく、午前中がとても長く感じる日々であり、逆に午後はとても短い。

 最近、英語がブータン人にとって1つの外国語にすぎないということをよく感じる。というのは、職場で私と話す時以外はほとんど英語を使っていないからだ。最初、それはすべてゾンカ語だと思っていたが、たずねてみるとゾンカ語の他にもネパール語、シャショップ語(東ブータンの言語)で話していると言われて驚いた。この4種類の言語をすべて話せるブータン人はすごい。

 それでもブータン政府によると、ブータン王国内ではチベット系の19言語と英語の合計20言語が使われているらしい。もっとも、世界では1人が2、3ヶ国語を話せるのはごく普通のことであり、逆に日本人が日本語しか話せない方が珍しいのだが。(世界中で、母国語以外の言葉が最もヘタな民族は、日本人とイギリス人らしい。)

 ということで、職場ではゾンカ語・ネパール語なども使われていて私もそれらを学ぶ必要があると思うのだが、やっぱりまずは英語で不自由なく話せるようになるのが先決であるので、それらを覚えるのは後回しにしよう。



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