山国ブータン王国−4(合同研修)

1997年7月17日

 ブータンでは、今回の隊次(9年度1次隊)から新しい試みが導入されることになった。これまでは、赴任時の研修は協力隊事務所が日本人のみに行ってきたが、今回は他のボランティア団体と一緒にブータン政府のカリキュラムで行うことになった。

 我々のJOCV(青年海外協力隊)の他にSNV(オランダの援助機関)UNV(国連の援助機関)、VSO(イギリスの援助機関)そしてVSA(ニュージーランド)の合計13名がこのオリエンテーションに参加した。メンバーは、私達日本人2人が26才で一番若く、他はみんな30才以上である。日程は1997年7月16日から8月8日までの約20日間である。

 初日、最初にオープニングセレモニーが行われた。とても怪しい儀式であった。これは、研修所内の日本のお寺のような神聖な場所で全員あぐらで座り、あずき水、黄色水、茶色水などのとても妙な液体を全員が飲み(もちろん我々も)その後6種類の食べ物をもらい、ブータンの民族ダンスを披露してもらった。とても不思議な感じでおもしろかったが、あの飲まされた液体だけは、本当に大丈夫なのか納得しかねる。

 その晩は、歓迎レセプションが行われた。やはり、ブータン人はどんなに偉い人であろうと、この若僧日本人にとても親切に接してくれるのをひしひしと感じた。他のボランティア団体の人もとても友好的でありやさしい。すぐ友達になることができた。しかし問題は語学力である。ほとんど何を言っているのか分からないので、表情や勘で会話をしている。

 研修は、2日目まで終了したが、理解出来たのはそれぞれのタイトルくらいである。

 内容は、「ブータンの文化について」「ブータンの歴史について」「ブータンの地理について」「ボランティアへの期待、考え」「ブータン国内の旅行、トレッキングについて」などであったが、講師の説明はほとんど聞き取れない。海外のニュースキャスターのように早い。資料を辞書をひきながらうすらうすら読むことしかできない。

 そうか、会話しているときは、みんな日本人向けにゆっくりと話してくれていたのだ。日本で学んだ外国人の英語の先生も分かりやすく話してくれていたのだ。というこがこの時はっきりと分かった。はたして、この研修が終わるまでに、講師の英語を少しでもうまく聞き取れるようになるのだろうか?

 研修にいどむ前は「よーし、何か質問してやろう!」と思っていたが、何を言っているかも分からないので問題外である。

 一番悲しいのが、ジョークがでた時である。みんな楽しく笑っているのに、日本人2人だけが何も理解できず、何がおもしろいのか分からず、ポツンと浮いている。これは悲しい。悲しすぎる。

 しかーし、我々も負けやしない。「日本人だけで固まってしまうのだけはやめよう」というのが2人の一致した考えである。研修所内では、1言も会話をしないし、目もほとんど合わさない。席も絶対に隣にならない。とにかく2人ともおのおの他のメンバーたちに近づき、苦しいながらも会話にチャレンジしている。今のパターンは、「質問する」→「答えてくれる」→「答えが聞き取れない」→「笑ってごまかす」といったパターンである。

 しかし、まだ研修が始まって2日たらず。最後はきっと、もっとスムーズに会話ができるだろう。・・・・・と祈っている。



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